2027年にオーストラリアで開催されるラグビーワールドカップは、歴史的な転換点を迎える大会となります。出場チーム数が従来の20カ国から24カ国へと拡大され、予選のプロセスや本大会のフォーマットが大きく変更されるからです。
多くのファンが気にかけているのは、前回大会で奮闘した日本代表の立ち位置や、新たに参加する国々がどこになるのかという点でしょう。この変更は世界中のラグビー勢力図に影響を与え、より多くの国にチャンスを与える革新的な試みです。
本記事では、複雑化した予選の仕組みや各大陸の出場枠、そして日本代表の現状について詳しく解説していきます。新しい大会方式を正しく理解することで、開幕までの期間をより深く楽しめるようになるでしょう。
| 項目 | 変更内容と詳細 |
|---|---|
| 開催地 | オーストラリア(2027年10月1日〜11月13日予定) |
| 出場チーム数 | 24チーム(前回大会から4チーム増加) |
| 予選免除 | 12チーム(前回大会各プール3位以上) |
| 予選枠 | 12チーム(各大陸予選および最終予選) |

ラグビーワールドカップ2027予選の仕組みと変更点
2027年大会に向けた予選プロセスは、参加チーム数の増加に伴い、これまで以上に戦略的かつ広範囲に展開されることになります。ワールドラグビーは競技のグローバル化を加速させるため、出場枠の配分を抜本的に見直しました。
ここでは、予選の全体像を把握するために必要な重要ポイントを整理し、何が変わり、何が維持されたのかを明確にします。新しいフォーマットは、強豪国だけでなく新興国にとっても大きな意味を持つ変革となっています。
20チームから24チームへの拡大がもたらす変化
ワールドカップの出場国が24チームに増えることは、大会期間の短縮と試合間隔の確保を両立させるための措置です。これにより、予選プールは4チームごとの6プール制に変更され、決勝トーナメントには各プールの上位2チームと3位の成績上位4チームが進出する「ラウンド16」が導入されます。
この変更は、予選段階から消化試合を減らし、すべての試合に緊張感を持たせることを目的としています。出場国が増えることで、これまであと一歩で涙を飲んでいた中堅国にも門戸が開かれ、大会の多様性が一気に高まることが予想されます。
また、大会期間が従来の7週間から6週間に短縮される予定であり、選手やファンの負担軽減も考慮されています。予選を勝ち抜いたチームにとっては、本大会での試合数や日程の組み方が変わり、新たな戦術やコンディション調整が求められることになるでしょう。
予選免除となる12チームの内訳と日本代表
2023年フランス大会の各プールで3位以内に入った計12チームは、すでに2027年大会への自動出場権を獲得しています。この中には優勝した南アフリカ、準優勝のニュージーランドをはじめ、イングランド、アルゼンチン、フランスといったティア1の強豪国が名を連ねています。
日本代表も前回大会のプールDで3位に入ったため、この自動出場枠(予選免除)の権利を確保しています。したがって、日本代表は今回解説する厳しい大陸別予選に参加する必要はなく、本大会に向けた強化に専念できる有利な立場にあります。
その他の予選免除国には、アイルランド、ウェールズ、スコットランド、フィジー、イタリア、そして開催国であるオーストラリアが含まれます。これらの国々は予選での消耗を避けられる分、テストマッチを通じてチームの完成度を高めていく戦略をとることができます。
新たに設けられた地域別出場枠の詳細
残る12の出場枠は、各地域(大陸)の予選大会を通じて決定されますが、その配分は各地域の競技力と普及度を反映したものになっています。具体的には、ヨーロッパ4枠、アジア3枠、アフリカ1枠、南米1枠、パシフィック3枠、そして南米対パシフィックのプレーオフ勝者1枠などが設定されています。
特に注目すべきはアジア枠が「3」確保されたことであり、これは日本が自動出場権を持っているため、実質的に日本以外のアジア諸国にとって極めて大きなチャンスとなります。これまで出場権獲得が困難だった国々にとって、ワールドカップは夢物語から現実的な目標へと変化しました。
ヨーロッパやパシフィック地域にも手厚い枠が配分されており、伝統的なラグビー国以外の台頭を促す構造になっています。これにより、地域予選自体の注目度が上がり、世界中でラグビーへの関心が高まることが期待されています。
最終予選トーナメントの役割と仕組み
大陸予選で直接出場権を得られなかったチームのために、最後の1枠を争う「最終予選トーナメント(敗者復活戦)」が用意されています。これは世界各地域の予選次点チームが集まり、総当たり戦などの形式で最後の切符を奪い合う過酷なサバイバルマッチです。
2023年大会の予選でも、ポルトガルが劇的な引き分けでアメリカを下して出場を決めたように、最終予選は本大会に劣らないドラマが生まれる舞台です。今回の24チーム制への移行に伴い、最終予選に進むためのルートや条件も微調整されており、最後まで目が離せない展開となるでしょう。
このトーナメントは通常、本大会の約1年前から半年前に行われ、世界中のラグビーファンの注目を集めます。各大陸の予選で惜敗したチームにとっては、数年間の努力を実らせるラストチャンスであり、そのプレッシャーは計り知れません。
大会開催地オーストラリアの準備状況
開催国であるオーストラリアは、すでに2027年に向けたスタジアムの改修やインフラ整備を急速に進めています。彼らにとって3度目の開催となるこの大会は、国内でのラグビー人気再燃をかけた重要なプロジェクトとして位置づけられています。
オーストラリアラグビー協会は、予選を勝ち抜いてくる国々を受け入れるためのキャンプ地選定や、ファンゾーンの設置計画を具体化させています。特に、アクセスの良さや観光資源とリンクさせた観戦体験の提供に力を入れており、世界中から訪れるファンを歓迎する準備が整いつつあります。
また、開催国枠として予選を免除されているワラビーズ(オーストラリア代表)も、ホスト国の威信をかけてチーム強化を図っています。予選プロセスと並行して進む開催国の準備状況を知ることは、大会の成功を占う上で欠かせない視点と言えるでしょう。
アジア予選の展望とライバル国の動向

日本代表が予選を免除されたことで、今回のアジア予選はかつてないほどの激戦が予想されます。アジアに割り当てられた3つの出場枠を巡り、長年日本の背中を追ってきた国々が歴史的なチャンスを掴もうとしているからです。
ここでは、アジアラグビー界の勢力図がどのように変化しつつあるのかを解説します。日本以外の国がワールドカップの舞台に立つことは、アジア全体のレベルアップに直結する重要なトピックです。
香港チャイナと韓国の出場可能性
アジア枠の中で最も有力視されているのが香港チャイナであり、彼らは前回大会の予選でもあと一歩のところまで迫りました。プロ化が進むリーグ構造や帰化選手の積極的な登用により、フィジカル面でも世界基準に近づきつつあるのが現状です。
一方、韓国代表も伝統的なアジアの強豪として、この拡大された枠を虎視眈々と狙っています。近年は7人制ラグビーの強化などもあり、スピードと展開力を活かしたラグビーで予選突破を目指す準備を進めています。
両国にとって、今回の予選システムは「日本に勝たなくてもワールドカップに行ける」という点で、モチベーションが根本的に異なります。直接対決の結果がそのまま出場権に直結するため、日韓戦や香港戦は極めて熱い試合になるでしょう。
マレーシアやUAEなど新興国の台頭
アジア予選の枠が広がったことで、マレーシアやアラブ首長国連邦(UAE)といった国々も強化に本腰を入れ始めています。これらの国々は外国人コーチの招聘や国内リーグの整備を進め、急速に力をつけてきている注目の存在です。
特にUAEは豊富な資金力を背景に環境を整えており、帰化選手を含めたチーム作りで番狂わせを起こす可能性があります。アジアラグビーチャンピオンシップなどの下部大会からの昇格組が、上位国を脅かす構図も十分に考えられます。
これら新興国の成長は、アジアラグビー全体の底上げにつながり、将来的には日本代表にとっても無視できないライバルになるでしょう。予選を通じて新たなスター選手や戦術が生まれる可能性も高く、アジア予選は見どころ満載です。
アジアラグビーのレベルアップと課題
出場枠の拡大は歓迎すべきことですが、同時にアジア全体の競技レベルを世界基準に引き上げるという課題も浮き彫りにしています。日本以外の国がワールドカップに出場した際、ティア1国相手に大敗せず、拮抗した試合ができるかが問われています。
そのため、アジアラグビー協会は各国間のテストマッチを増やし、実戦経験を積ませる施策を打ち出しています。予選そのものが強化の場として機能し、本大会で通用するチームを作り上げることができるかが、今回のアジア予選の隠れたテーマです。
日本代表が積み上げてきた歴史のように、他のアジア諸国もこのチャンスを活かして強化を進める必要があります。ファンの私たちにとっても、アジアの兄弟国たちがどのような成長曲線を描くのかを見守ることは、新しいラグビーの楽しみ方と言えます。
ヨーロッパ・南半球の過酷な予選プロセス
ラグビーの伝統国がひしめくヨーロッパや、フィジカルバトルが特徴の南半球では、予選突破そのものが本大会以上に過酷な道のりとなることがあります。限られた枠を巡る争いは、そのまま世界ランキングに直結するシビアな戦いです。
ここでは、世界最高峰の強度が求められる各地域の予選事情について掘り下げていきます。これらの地域を勝ち抜いてきたチームは、本大会でも台風の目となる可能性を秘めています。
強豪ひしめくヨーロッパ予選の厳しさ
ヨーロッパ予選は、ジョージア、ポルトガル、スペイン、ルーマニアといった実力国が4つの枠を争う、世界で最もレベルの高い予選の一つです。これらの国々は日常的に「ラグビーヨーロッパチャンピオンシップ」で対戦しており、互いの手の内を知り尽くした上での総力戦となります。
特にジョージアは、すでにティア1国を撃破するほどの実力を持ちながら、自動出場権を逃したため予選からのスタートとなります。彼らが圧倒的な強さを見せるのか、それとも他の国が包囲網を敷いて対抗するのかが大きな見どころです。
また、前回大会で不祥事により出場権を失ったスペインなどの雪辱戦も見逃せない要素です。一つの反則、一つの判定が4年間の努力を左右する緊張感は、ヨーロッパ予選特有の魅力であり恐ろしさでもあります。
パシフィックネーションズカップの影響
フィジーが自動出場を決めているパシフィック地域では、サモアやトンガといった国々が残りの枠を巡って激突します。これらの国々は「パシフィックネーションズカップ」などの大会を通じて強化を図り、予選にピークを合わせてきます。
ワールドラグビーの規定変更により、かつて他国代表だった選手が母国代表に戻れるようになったことが、この地域の戦力を大きく押し上げました。元ニュージーランド代表やオーストラリア代表の選手が加わったサモアやトンガは、世界トップクラスの破壊力を持っています。
この地域の予選は、単なる勝敗だけでなく、アイランド・ラグビー特有の激しいコンタクトと華麗なステップが交錯するエンターテインメント性も兼ね備えています。予選を通過したチームは、本大会でも間違いなく上位進出の候補となるでしょう。
南米・北米地域の出場権争い
アルゼンチンが君臨する南米では、ウルグアイやチリが力をつけ、それに続くブラジルなども急成長しています。南米に割り当てられた枠とプレーオフ枠を目指し、情熱的で泥臭い戦いが繰り広げられるのがこの地域の特徴です。
一方、北米では前回まさかの予選敗退を喫したアメリカが、2031年自国開催を見据えて必死の巻き返しを図っています。カナダと共に北米ラグビーの威信をかけた戦いは、組織力とアスリート能力のぶつかり合いとなるでしょう。
南北アメリカ大陸の争いは、地域ごとのスタイルの違いが明確に出るため、戦術的な観点からも非常に興味深いものです。最終的にどの国がオーストラリア行きの切符を手にするかは、予選終盤までもつれることが予想されます。
予選突破が期待される注目国と新勢力

予選は単なる通過点ではなく、次のワールドカップでサプライズを起こすチームを見つけるためのショーケースでもあります。過去の大会でも、予選をギリギリで通過したチームが本大会でジャイアントキリングを起こす例は枚挙にいとまがありません。
ここでは、2027年大会に向けて特に注目すべき国々や、新たな風を吹き込みそうな新勢力にスポットを当てます。これらのチームを知っておくことで、本大会の楽しみが何倍にも広がります。
ポルトガルに見る中堅国の可能性
2023年大会で世界中を魅了したポルトガルは、予選を勝ち抜くことの意義を最も体現したチームの一つです。彼らのスピーディーで勇敢なアタッキングラグビーは、予選での厳しい戦いを通じて磨き上げられました。
今回もヨーロッパ予選からのスタートとなりますが、その経験値と自信は大きな武器となるはずです。彼らのように「ボールを動かし続ける」スタイルは、体格で劣る国々にとっても一つの希望の光となっており、戦術的なトレンドにも影響を与えています。
ポルトガルの動向を追うことは、現代ラグビーにおいて「持たざる国」がどう戦うべきかを知る手がかりになります。彼らが再び予選を突破し、本大会で旋風を巻き起こすことを多くのファンが期待しています。
アメリカ代表の復活と2031年への布石
経済規模とアスリートの宝庫であるアメリカが、ラグビーワールドカップの舞台に戻ってくることは、競技の世界的発展にとって不可欠です。前回の予選敗退というショックから立ち直り、組織的な再建が進んでいるかが注目されます。
アメリカ代表の復活は、次回の2031年アメリカ大会に向けた重要なステップでもあります。予選を通じて強いアメリカを取り戻せるかどうかが、ラグビーというスポーツが北米でメジャースポーツになれるかの試金石となるでしょう。
プロリーグ「MLR」の発展により、国内選手のレベルも底上げされており、予選突破は最低限のノルマと言えます。彼らがどのようなパフォーマンスを見せるかは、ビジネス面を含めたラグビー界全体の関心事です。
世界ランキングと予選結果の相関関係
予選の結果は、直前の世界ランキングに色濃く反映され、それが本大会の組み合わせ抽選にも影響を与えることがあります。予選で好成績を収め、ランキングを上げて本大会に臨むことは、有利なプール分けを得るために重要です。
近年では、ジョージアやサモアなどがランキング上位国を脅かす位置につけており、予選での勝敗がランキングを大きく変動させます。予選期間中は、単に「出場権獲得」だけでなく、ランキングの推移にも注目すると、より深い分析が可能になります。
新勢力が予選でランキング上位国を倒せば、それは「番狂わせ」ではなく「実力」として認められるようになります。2027年予選は、固定化された序列が崩れる瞬間を目撃できる絶好の機会となるでしょう。
まとめ
ラグビーワールドカップ2027の予選は、出場枠が24に拡大されたことで、これまで以上に多様で熱気のある戦いが世界各地で繰り広げられます。日本代表はすでに予選を免除されていますが、アジアや世界のライバルたちの動向を知ることは、本大会を100倍楽しむための準備運動と言えるでしょう。
特にアジア枠の拡大は、近隣諸国のラグビー熱を高め、将来的には日本にとっても刺激的なライバル関係を生むきっかけになります。また、ヨーロッパや南半球の過酷な予選を勝ち上がってくるチームは、本大会でも日本代表の前に立ちはだかる強力な敵となる可能性があります。
今後は、各大陸で行われる予選のニュースや結果をチェックし、どの国が勢いに乗っているかを見極めるのがおすすめです。オーストラリアの地で新しい歴史が作られるその瞬間まで、予選という名のもう一つのワールドカップを存分に楽しみましょう。
さあ、次はあなたが注目する「24番目のチーム」を見つける番です。世界中のラグビー情報にアンテナを張り、2027年のキックオフを待ちましょう。


