天理大学ラグビー部|上ノ坊友騎を解剖!兄2人を追う三男の覚悟

rugby ball (11) 高校大学ラグビー

関西大学ラグビーリーグの名門、天理大学ラグビー部。漆黒のジャージを身にまとい、大学選手権制覇を目指す猛者たちの中に、ひと際注目を集める「三男坊」がいます。その名は、上ノ坊友騎(うえのぼう ともき)。すでにリーグワンで活躍する長男・悠馬、そして天理大学の主将を務めコベルコ神戸スティーラーズ入りを果たした次男・駿介という偉大な2人の兄を持つ、上ノ坊3兄弟の末っ子です。

高校時代のキャプテンシー、小柄ながらも強烈なタックル、そして兄たちを追いかけて天理の門を叩いたその覚悟。ラグビーファンならずとも応援したくなる彼のストーリーは、まさに現在進行形のドラマと言えるでしょう。この記事では、上ノ坊友騎選手のプロフィールからプレースタイル、そして兄たちとの関係性までを深掘りします。

項目 詳細データ
氏名 上ノ坊 友騎(うえのぼう ともき)
所属 天理大学ラグビー部(2025年度入部)
ポジション FL(フランカー)/ No.8
身長/体重 172cm / 推定85kg前後
出身高校 市立尼崎高校(兵庫県)
出身地 兵庫県

天理大学ラグビー部上ノ坊友騎のプロフィールと経歴

天理大学ラグビー部に入部した上ノ坊友騎選手は、単なる「弟」という枠には収まらない独自のポテンシャルを秘めています。ここでは、彼の基本的なプロフィールと、ラグビー選手としてのこれまでの歩みを詳細に解説します。

偉大なる「上ノ坊3兄弟」の末っ子として

上ノ坊友騎選手を語る上で欠かせないのが、2人の兄の存在です。長男の悠馬選手は天理大学卒業後、リーグワンの「クボタスピアーズ船橋・東京ベイ」でフランカーとして活躍。次男の駿介選手は、天理大学で主将を務め、2026年シーズンより名門「コベルコ神戸スティーラーズ」への加入が決まっている超一級のプレーヤーです。友騎選手は、このラグビーエリート兄弟の三男として育ちました。

幼少期から兄たちの背中を見て育った彼は、自然と楕円球を追う生活を選びました。「兄が2人いてよかった。格好いい背中を見て、僕もこうなりたいと思った」と語る言葉には、純粋な憧れと、いつかその背中に追いつき追い越したいという強い意志が込められています。兄たちが切り拓いた「天理大学」という厳しい環境に自ら飛び込んだことこそが、彼の覚悟の表れと言えるでしょう。

172cmの小兵フランカーとしての挑戦

現代ラグビー、特に大学トップレベルやリーグワンにおいて、フォワード(FW)の大型化は著しいものがあります。兄の悠馬選手(183cm)、駿介選手(183cm)が恵まれた体格を持つのに対し、友騎選手の身長は172cm。フォワード第3列(FL/No.8)としては、明らかに「小柄」な部類に入ります。

しかし、ラグビーは身体の大きさだけが全てではありません。低い重心を生かしたタックル、密集への素早い集散、そして相手の懐に入り込むジャッカルなど、小柄だからこそできるプレーがあります。彼は自身の体格を「ハンデ」ではなく「特徴」と捉え、兄たちとは異なるプレースタイルを磨き上げてきました。天理大学伝統の「低いタックル」を体現するには、これ以上ない適性を持っているとも言えます。

市立尼崎高校からの進学ルート

上ノ坊友騎選手の出身校は、兵庫県の公立の雄・市立尼崎高校です。ラグビー激戦区である兵庫県において、報徳学園や関西学院といった強豪私学としのぎを削る伝統校であり、ここでの3年間が彼の基礎を作り上げました。高校時代はNo.8(ナンバーエイト)としてプレーし、チームの精神的支柱である主将も務めました。

中学時代には兵庫県選抜にも選ばれた実績を持ちますが、高校では花園(全国大会)への出場は叶いませんでした。強豪ひしめく兵庫予選の壁は厚く、悔しさを味わい続けた高校生活だったと言えます。しかし、その悔しさが「大学でこそは」というハングリー精神を育み、よりレベルの高い天理大学での挑戦へと彼を駆り立てたのです。

天理大学を選んだ「必然」の理由

なぜ彼は天理大学を選んだのでしょうか。もちろん「兄たちが通った道だから」という理由は大きいでしょう。しかし、それだけではありません。天理大学ラグビー部が掲げる「一手一つ(いってひとつ)」の精神や、雑草集団がエリートを倒すというチームカラーが、彼の性分に合致していたと考えられます。

天理大学は、高校日本代表クラスがずらりと並ぶ関東の強豪大学とは異なり、叩き上げの選手が成長して強くなるチームです。公立高校出身で、体格的にも恵まれているわけではない友騎選手にとって、自らを極限まで鍛え上げられる天理の環境は、これ以上ない「修練の場」でした。兄への憧れに加え、自分自身が成長できる最高の環境として天理を選んだのです。

ポジション転向と新たな可能性

高校時代はNo.8としてスクラムの最後尾からチームをコントロールしていましたが、大学レベルではサイズの関係もあり、フランカー(FL)としてのプレーが主戦場となります。FLは「仕事人」のポジションであり、豊富な運動量と激しいコンタクトが求められます。

天理大学のFLには、伝統的に強烈なタックラーやブレイクダウン(ボール争奪戦)のスペシャリストが配置されます。友騎選手もまた、持ち味である低さを武器に、相手のアタックを寸断する「刺さるタックル」を磨いています。高校時代のNo.8で培ったボールキャリーのセンスと、FLとしての献身性を融合させ、独自のプレースタイルを確立しようとしています。

小柄な体躯を武器に変えるプレースタイルと特徴

上ノ坊友騎選手のプレーには、見る者を惹きつける独特の「熱量」があります。172cmというサイズで、190cm・100kg超の留学生や大型FWに立ち向かう姿は、まさに天理ラグビーの真髄です。ここでは彼のプレースタイルの核心に迫ります。

低さと速さを生かした「刺さる」タックル

彼の最大の武器は、天理大学のお家芸でもある「低いタックル」です。相手よりも低い位置からインパクトし、一撃で相手を仰向けに倒す、あるいは前進を許さないタックルは、チームに勢いをもたらします。身長が低いということは、自然と相手の下に入り込めるというメリットでもあります。

特に、相手がボールを持って突進してくる瞬間、膝下へ鋭く突き刺さる「チョップタックル」は脅威です。大型選手ほど足元へのタックルを嫌がるため、友騎選手のような存在はディフェンスラインにおいて非常に重要な役割を果たします。一度捕らえたら離さない執念深さも、上ノ坊家のDNAと言えるでしょう。

ブレイクダウンでの驚異的な仕事量

現代ラグビーにおいて、勝敗を分ける重要な要素が「ブレイクダウン(接点)」です。タックル直後のボールの奪い合いにおいて、友騎選手は抜群の嗅覚を発揮します。素早く起き上がり、相手のサポートが来るよりも一瞬早くボールに絡む「ジャッカル」は、相手の攻撃権を奪うビッグプレーとなります。

また、味方がタックルされた際のサポート(オーバー)の速さも特筆すべき点です。小回りが利く身体操作で、密集の隙間に体をねじ込み、ボールを確保する。こうした地味ながらもチームを助ける「泥臭いプレー」を厭わない姿勢こそが、彼が指導者やチームメイトから信頼される理由です。

主将経験が裏打ちするリーダーシップ

市立尼崎高校で主将を務めた経験は、彼のプレーにも色濃く反映されています。苦しい時間帯に声を出し、体を張り続ける姿勢は、まさにリーダーのそれです。大学1年生の段階ではチームを率いる立場ではありませんが、プレーで周囲を鼓舞する「サイレント・リーダーシップ」を発揮しています。

FW第3列は、ディフェンスの要であり、チームの精神的支柱となるポジションです。自分が倒れてもすぐに起き上がり、次の局面に顔を出す。そのひたむきな姿は、上級生たちにも刺激を与えるほどです。技術だけでなく、メンタリティの部分でも「天理のFW」としての資質を十分に備えています。

市立尼崎高校時代の伝説と実績

天理大学での活躍を予感させる原点は、兵庫県の市立尼崎高校時代にあります。公立校の意地を背負い、強豪私学に挑み続けた3年間は、彼のラグビー人生における重要な章です。

公立の雄・市立尼崎を牽引したキャプテンシー

市立尼崎高校、通称「市尼(いちあま)」は、スポーツ名門校として知られていますが、ラグビー部もまた熱い歴史を持っています。上ノ坊友騎選手は、3年時にこのチームの主将(キャプテン)を任されました。部員たちをまとめ上げ、厳しい練習を先頭に立って引っ張る姿は、当時の監督やチームメイトからも高く評価されていました。

キャプテンとして彼が意識していたのは「背中で語る」ことでした。言葉で指示を出すだけでなく、誰よりも早くグラウンドに出て、誰よりも激しいコンタクト練習を行う。その姿勢が、チーム全体の一体感を生み出しました。高校生離れした責任感の強さは、この時期に培われたものです。

花園予選での激闘と強豪の壁

兵庫県の高校ラグビー界は、報徳学園と関西学院高等部という「2強」が立ちはだかる、全国でも屈指の激戦区です。友騎選手率いる市立尼崎は、この高い壁に何度も跳ね返されました。特に3年最後の大会では、打倒私学を掲げて挑みましたが、あと一歩及ばず花園の土を踏むことはできませんでした。

しかし、敗戦の中で見せた彼のパフォーマンスは圧巻でした。劣勢の試合展開でも決して諦めず、何度も相手の大型選手にタックルを見舞う姿は、観客の心を打ちました。「負けたけれど、あの一番小さい8番の選手は凄かった」と、対戦相手のファンに言わしめるほどのインパクトを残したのです。

「上ノ坊三兄弟」としての重圧と成長

高校時代、彼には常に「上ノ坊の弟」という枕詞がついて回りました。兄たちが天理大学で活躍し始め、注目度が上がるにつれ、周囲の期待も大きくなっていきました。それは時として重圧にもなりましたが、友騎選手はそれをポジティブなエネルギーに変えていきました。

「兄は兄、自分は自分」。そう割り切りつつも、兄たちが到達したレベルを基準に日々の練習に取り組むことで、彼は着実に成長しました。特に高校2年から3年にかけてのフィジカルの強化は目覚ましく、プロテイン摂取やウエイトトレーニングを徹底し、大学ラグビーに耐えうる身体の基礎を作り上げました。

天理大学での現在地と今後の展望

2025年4月、満を持して天理大学ラグビー部の一員となった上ノ坊友騎選手。ルーキーイヤーを終えようとしている現在、彼の立ち位置とこれからの未来はどう描かれているのでしょうか。

1年生シーズン(2025年度)の総括

天理大学の1年生といえば、まずは身体作りと、大学ラグビーのスピード・強度に慣れることが最優先されます。特にFWの選手にとって、高校と大学のフィジカル差は大きな壁となります。友騎選手もまた、入部直後はその壁に直面しました。

しかし、夏合宿やジュニア戦(Bチーム以下の試合)を通じて、彼は徐々に頭角を現しました。172cmというサイズを感じさせない力強いプレーでアピールを続け、コーチ陣からの評価を高めていきました。Aチームの公式戦出場機会は限られていたとしても、練習試合などで見せたパフォーマンスは、来季以降の飛躍を予感させるに十分なものでした。

兄・駿介との最初で最後の共闘

2025年度シーズンは、4年生で主将の兄・駿介選手と、1年生の友騎選手が同じチームに在籍する唯一のシーズンでした。「兄弟で同じグラウンドに立つ」という夢は、練習や紅白戦などで実現しました。主将としてチームを牽引する兄の姿を間近で見たことは、友騎選手にとって何物にも代えがたい財産となったはずです。

駿介選手が卒業し、コベルコ神戸スティーラーズへと進む中、友騎選手は「兄が残したものを継承し、さらに超えていく」という新たなタスクを背負うことになります。兄からの直接的な指導は終わりましたが、その精神は確実に弟へと受け継がれています。

次世代の主力としての期待と課題

2年生となる2026年度シーズン以降、上ノ坊友騎選手には「レギュラー争い」への本格的な参戦が期待されます。天理大学のバックロー(FL/No.8)の層は厚いですが、彼の持つ「低さ」と「運動量」は、チームにとって貴重なオプションです。

課題としては、やはりフィジカルのさらなる強化が挙げられます。体重を増やしつつも、持ち味のスピードを殺さない絶妙なバランス調整が求められます。また、セットプレー(ラインアウトやスクラム)における役割の理解度を深め、FWとしての総合力を高める必要があります。彼がAチームの黒衣(ジャージ)を着て、聖地・花園や国立競技場で暴れ回る日は、そう遠くないでしょう。

上ノ坊3兄弟の絆とライバル関係

最後に、上ノ坊友騎選手を語る上で欠かせない「兄弟の絆」について触れておきます。それぞれが異なる個性を持ちながら、同じラグビーという道を志した3人の関係性は非常に興味深いものです。

長男・悠馬(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)

長男の悠馬選手は、兄弟の中で最も早くプロの世界へ飛び込みました。183cm/100kgという恵まれた体格を生かしたパワフルなプレーが持ち味です。友騎選手にとって、悠馬選手は「到達すべき目標」であり、プロとしての厳しさを教えてくれる存在です。オフには兄弟で食事に行き、ラグビー談義に花を咲かせることもあります。

次男・駿介(コベルコ神戸スティーラーズ)

次男の駿介選手は、ユーティリティバックス(SO/CTB/FB)として器用さとラグビーIQの高さを持ち合わせています。天理大学の主将を務めたリーダーシップは、友騎選手に多大な影響を与えました。ポジションは違えど、試合の流れを読む目や、チームを鼓舞する姿勢は、兄から弟へと確実に伝播しています。

三男・友騎の独自性と「弟の逆襲」

そして三男の友騎選手。彼は兄2人とは異なり、サイズというハンデを背負いながら戦っています。しかし、だからこそ生まれる「工夫」や「泥臭さ」が彼の最大の魅力です。「兄たちはエリートかもしれないが、自分は雑草魂で這い上がる」という気概が、彼のプレーには滲み出ています。

「いつかリーグワンの舞台で、兄たちと対戦したい」。そんな野望を抱いているかもしれません。同じチームで戦うことはもうありませんが、敵として対峙し、兄を低いタックルで仰向けに倒す瞬間こそが、三男坊にとっての最高の恩返しとなるでしょう。

まとめ

天理大学ラグビー部の新鋭、上ノ坊友騎選手について解説してきました。偉大な兄たちを持つ「三男坊」としての宿命を背負いつつ、172cmの体躯を武器に変えて戦う彼の姿は、多くの人々に勇気を与えます。

  • プロフィール: 市立尼崎高校出身、172cmの小柄なFL/No.8。
  • 特徴: 天理伝統の低いタックル、ジャッカル、豊富な運動量。
  • 経歴: 2025年に天理大学入学。兄・駿介と共に過ごした1年を経て、次世代の主力へ。
  • 展望: フィジカルを強化し、Aチーム定着とリーグワン入りを目指す。

2026年以降、彼が大学ラグビー界でどのようなインパクトを残してくれるのか。天理の漆黒のジャージを纏った「小さな巨人」の躍動から、ひと時も目が離せません。スタジアムで「UENOBO」の名前がコールされた時、その低いタックルにぜひ注目してください。

あなたは、上ノ坊友騎選手のどのようなプレーに期待しますか?ぜひ、次のシーズンの天理大学の試合をチェックして、彼の成長を見届けてみてください。

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