「ラグビーの実力」と「社会での市場価値」。この両方を高水準で兼ね備えているのが、立教大学ラグビー部の大きな特徴です。関東大学対抗戦Aグループという厳しい環境で揉まれながら、学業もおろそかにしない彼らの姿勢は、多くの企業から熱い視線を浴びています。
本記事では、立教大学ラグビー部の進路・就職先データを深掘りし、その強さの秘密に迫ります。
| 業界カテゴリー | 主な就職先・進路実績 |
|---|---|
| 金融・保険 | 三菱UFJ銀行、三井住友銀行、東京海上日動火災保険、日本生命 |
| メディア・広告 | 電通、博報堂、NHK、フジテレビジョン |
| メーカー・商社 | サントリーHD、アサヒビール、三菱食品、双日 |
| 航空・運輸 | 全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)、近鉄エクスプレス |
| ラグビー継続 | ヤクルトレビンズ戸田、日野レッドドルフィンズ |
立教大学ラグビー部の進路と就職先に見る傾向と実績
立教大学ラグビー部の進路実績を見ると、日本を代表する大手企業がずらりと並んでいることに驚かされます。特に「組織への貢献意欲」と「高い知性」を求められる金融業界や、コミュニケーション能力が必須の広告代理店への就職が目立ちます。
ここでは、具体的な企業名とともに、業界ごとの就職傾向を詳しく分析していきます。彼らがなぜトップ企業への切符を掴み取ることができるのか、その背景にある「立教ブランド」と「個の力」の関係性を紐解いていきましょう。
金融・保険業界への圧倒的な強さ
立教大学ラグビー部の卒業生にとって、金融および保険業界は最も主要な進路の一つとなっています。具体的には、三菱UFJ銀行や三井住友銀行といったメガバンクに加え、東京海上日動火災保険、日本生命、明治安田生命などの大手保険会社へ多数の部員が入社しています。厳しい規律の中でチームプレーを徹底するラグビー部の経験は、信頼と正確性が求められる金融機関の業務と極めて親和性が高いと言えます。また、OB・OGのネットワークも強固であり、先輩たちの活躍が後輩への信頼につながる好循環が生まれています。
広告・メディア業界での活躍
電通や博報堂といった大手広告代理店、さらにはNHKやフジテレビジョンなどの放送局も、人気の高い就職先として挙げられます。ラグビーというスポーツを通じて培われた「目標達成のための戦略的思考」や「多様な人間関係を構築する力」は、クライアントワークやクリエイティブな現場で高く評価されています。特に立教大学はリベラルアーツ教育を重視しており、幅広い教養と柔軟な発想を持つ学生が多いことも、メディア業界との相性の良さを後押ししている要因です。
メーカー・商社への就職実績
サントリーホールディングスやアサヒビール、キリンホールディングスといった飲料メーカー、さらには双日や丸紅といった総合商社へもコンスタントに人材を輩出しています。これらの企業は、グローバルな競争環境下でのタフな精神力を求めており、対抗戦Aグループで強豪校に挑み続ける立教ラガーマンのメンタリティが好まれます。また、これらの企業にはラグビー部を有する会社も多く、社風としてスポーツ経験者を歓迎する土壌があることも、採用実績につながっています。
インフラ・航空業界への進出
全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)、JR東日本といったインフラ・航空業界も、安定した人気を誇る進路です。安全を最優先しつつチームで動く業務特性は、まさにラグビーの「One for All, All for One」の精神そのものです。近年では、グローバル展開を加速させる物流企業(近鉄エクスプレスなど)への就職も見られ、英語力や国際感覚を身につけた部員たちが、世界を舞台に活躍の場を広げています。
コンサル・IT業界へのシフト
近年、顕著になっているのが、アクセンチュアやベイカレント・コンサルティングといったコンサルティングファーム、およびIT系企業への就職です。従来の「体育会系=営業」という枠を超え、論理的思考力や課題解決能力を活かせる職種を選ぶ学生が増加しています。プレー分析や戦術立案にデジタルツールを活用することが当たり前になった現代ラグビーの環境も、こうしたITリテラシーの高い人材を育てる要因の一つとなっています。
リーグワンおよび社会人ラグビーへの挑戦とキャリア

トップレベルでのプレー継続を希望する選手にとって、リーグワンや社会人チームへの入団は狭き門であり、大きな目標です。立教大学は、他大学に比べてスポーツ推薦枠が少ない中でも、実力で道を切り開き、トップリーグの世界へ飛び込む選手を輩出しています。
ここでは、近年のリーグワン入団実績や、働きながらプレーを続ける「社員選手」としてのキャリアパスについて解説します。プロとして生きる道と、社業と両立する道、それぞれの選択肢を見ていきましょう。
近年のリーグワン入団実績
直近の動向としては、SH伊藤光希選手がヤクルトレビンズ戸田に、FB床田聖悟選手が日野レッドドルフィンズに所属するなど、リーグワンの舞台で活躍するOBが存在します。彼らは大学時代からチームの主力として活躍し、対抗戦でのタフな試合経験を通じてスカウトの目に留まりました。決して多くはない人数ですが、立教大学からでもトップレベルで通用することを証明しており、現役部員にとって大きな希望となっています。
社員選手というキャリアの選択
立教大学ラグビー部の卒業生の多くは、プロ契約ではなく、企業の正社員として働きながらプレーする「社員選手」の道を選びます。ヤクルトレビンズ戸田や、かつてのトップイースト所属チームなどは、社業を第一としながら高いレベルでラグビーに打ち込める環境です。引退後のセカンドキャリアに対する不安が少なく、ビジネスマンとしてのスキルも同時に磨けるため、堅実なキャリア形成を望む立教大生にとって魅力的な選択肢となっています。
下位リーグからのステップアップ
卒業時点でトップチームへの内定が得られなくても、地域リーグや下部リーグのチームで実績を積み、上位カテゴリーへ挑戦する選手もいます。クラブチームでプレーを続けながらトレーニングを重ね、トライアウトを経てリーグワン参入を目指すというルートです。こうした粘り強い挑戦を続けられるのも、大学4年間で培った「自ら考え、行動する力」があるからこそと言えるでしょう。
立教大学ラグビー部が就職に強い3つの理由
なぜ立教大学ラグビー部は、これほどまでに就職に強いのでしょうか。単なる「体育会系だから」という理由だけでは説明がつかない、企業を惹きつける独自の魅力が存在します。人事担当者が評価するポイントは、彼らの人間性と環境適応能力にあります。
ここでは、立教ブランドの核心とも言える「知性」「伝統」「カルチャー」の3つの視点から、その就職力の源泉を解明します。
「文武両道」を地で行く環境
立教大学ラグビー部は、スポーツ推薦の枠が非常に限られており、多くの部員が一般入試や指定校推薦を経て入部しています。そのため、学業成績の基準も厳しく、ラグビーだけに没頭して単位をおろそかにすることは許されません。限られた時間の中で練習効率を最大化し、学業と部活動を両立させるタイムマネジメント能力は、社会人が最も必要とするスキルの一つであり、企業から高く評価される最大の要因です。
伝統校としてのネットワーク
1923年創部という長い歴史を持つ立教大学ラグビー部は、経済界や産業界に多くの有力なOBを送り出してきました。「立教ラグビー宣言」に基づいた紳士的な振る舞いや、ひたむきな姿勢は、世代を超えて受け継がれています。OB・OG訪問や就職活動のサポート体制も充実しており、先輩たちが築き上げてきた信頼のブランドが、現役部員の就職活動を強力に後押ししています。
多様性を受け入れる組織文化
付属校出身者、地方進学校出身者、未経験者など、多様なバックグラウンドを持つ部員が一つのチームに融合している点も特徴です。エリート選手だけで構成されるチームとは異なり、様々な価値観を持つメンバーと協働し、組織をまとめ上げる経験を積むことができます。この「ダイバーシティ&インクルージョン」を学生時代に体現している点は、現代の企業組織において極めて重要な資質と見なされています。
キャリア形成を支える部内のサポート体制

個人の努力だけでなく、組織として部員の将来をバックアップする体制が整っていることも見逃せません。ラグビー部では、単に試合に勝つことだけでなく、社会で通用する人間を育てることを指導方針の柱に据えています。
具体的にどのようなキャリア支援が行われているのか、OBとの交流会や、日々の活動を通じた人間形成のプログラムについて紹介します。
OB・OGによる就職支援
立教大学ラグビー部には、現役部員と社会人OBが交流する機会が定期的に設けられています。就職活動の時期には、各業界で活躍する先輩から直接アドバイスを受けたり、模擬面接を行ったりするケースも珍しくありません。公式なセミナー形式だけでなく、グラウンド外での個人的なメンター制度のような関係性が自然と構築されており、学生は早い段階から自身のキャリアについて具体的に考えることができます。
学生主体のチーム運営
監督やコーチの指示を待つのではなく、学生自身が練習メニューや戦術を考え、チーム運営に関わる「学生主体」のスタイルを貫いています。広報、分析、会計、渉外といった役割分担が明確にされており、組織運営のノウハウを実地で学びます。この経験を通じて得られるリーダーシップやフォロワーシップは、エントリーシートや面接での強力なアピール材料となり、実務能力の証明として機能します。
大学キャリアセンターとの連携
大学全体のキャリアセンターとも連携し、アスリート学生向けのキャリア形成プログラムを活用しています。体育会活動で忙しい学生のために、効率的な就職活動のスケジュール管理や、自己分析のサポートが行われます。ラグビー部での経験をどのように言語化し、ビジネスの文脈に置き換えて伝えるかという「翻訳能力」を磨くことで、面接での説得力を高めています。
まとめ
立教大学ラグビー部の進路は、金融・商社・メーカー・メディアと多岐にわたり、その実績は大学ラグビー界でもトップクラスを誇ります。彼らが企業から選ばれる理由は、単なる体力や根性だけではありません。
文武両道を実践する中で培われた知性、学生主体の運営で磨かれた組織適応力、そして伝統校のネットワークが、彼らのキャリアを強固に支えています。
これから立教大学ラグビー部を目指す高校生や、その保護者の方々にとって、この「出口の強さ」は大きな魅力となるはずです。ラグビーを通じて得られる経験は、卒業後の長い人生においても、かけがえのない財産となり続けるでしょう。



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