「京産大にこの男あり」と言わしめる圧倒的な存在感。京都産業大学ラグビー部で、ひと際大きな歓声を浴びる選手がいます。彼の名はシオネ・ポルテレ。関西大学リーグを席巻し、大学選手権でも猛威を振るうその姿は、まさに「怪物」という言葉が相応しいでしょう。
恵まれた体格から繰り出されるパワフルな突進は、相手ディフェンスを軽々と粉砕し、チームに勢いをもたらします。しかし、彼魅力は単なるパワーだけではありません。献身的なタックルや、チームメイトを鼓舞する姿勢など、精神的な支柱としても欠かせない存在です。
本記事では、シオネ・ポルテレ選手の経歴やプレースタイル、そして注目の進路について詳しく解説します。彼の歩んできた道のりを知ることで、これからのラグビー観戦がより一層楽しくなるはずです。まずは、彼の基本プロフィールから見ていきましょう。
| 項目 | 詳細情報 |
|---|---|
| 名前 | シオネ・ポルテレ (Sione Polutele) |
| 生年月日 | 2003年5月24日 |
| 出身地 | トンガ |
| 身長/体重 | 184cm / 112kg |
| ポジション | No.8 (ナンバーエイト) / FL |
| 出身校 | 目黒学院高校 → 京都産業大学 |
| 所属 | コベルコ神戸スティーラーズ (2026〜) |
京都産業大学ラグビー部で異彩を放つシオネ・ポルテレの全貌
大学ラグビー界でその名を轟かせるシオネ・ポルテレ選手。彼は一体どのような背景を持ち、どのようにして現在の地位を築き上げたのでしょうか。ここでは、彼のルーツから大学でのポジション転向まで、そのキャリアの全貌を掘り下げていきます。
トンガから日本へ渡ったラグビーの申し子
ラグビー王国トンガに生まれたポルテレ選手は、幼い頃から楕円球を追いかけて育ちました。トンガ出身の選手特有の、バネのある身体能力とラグビーセンスは、少年の頃から際立っていたと言われています。彼の才能は海を越えて注目され、日本の高校への留学という大きな転機を迎えることになります。
日本での生活は、言葉の壁や文化の違いなど、多くの困難があったことは想像に難くありません。しかし、ラグビーへの情熱と持ち前の明るい性格で、彼は環境に適応していきました。この時期の経験が、後の精神的な強さや、日本のラグビーに適応する柔軟性を育んだのです。
目黒学院高校時代に見せた驚異のポテンシャル
来日後に彼が入学したのは、東京都にあるラグビーの名門、目黒学院高等学校でした。高校時代からそのフィジカルは圧倒的で、全国高等学校ラグビーフットボール大会(花園)にも出場し、聖地で大暴れしました。当時はプロップ(PR)などのポジションも経験し、スクラムの最前線で体を張っていました。
高校日本代表候補にも選出されるなど、その実力は早くから全国区でした。トンガ仕込みの突進力に加え、日本の高校ラグビーで培った規律や組織的なディフェンスを吸収したことで、選手としての完成度は飛躍的に向上しました。この頃から、将来の日本ラグビー界を背負う逸材として注目を集めていたのです。
ウイングからNo.8への華麗なる転身
京都産業大学に入学した当初、ポルテレ選手はなんとウイング(WTB)として起用されていました。身長184cm、体重100kg超の巨体がサイドライン際を疾走する姿は、対戦相手にとって恐怖そのものでした。1年時からレギュラーを獲得し、関西大学リーグのベスト15にも選出される活躍を見せました。
しかし、学年が上がるにつれて、彼の適正ポジションはフォワードの要であるNo.8(ナンバーエイト)へとシフトしていきました。ボールを持って走る能力だけでなく、ブレイクダウン(接点)での強さやディフェンス力が評価された結果です。このコンバートが、彼の選手としての価値をさらに高めることになりました。
京産大ラグビーの象徴「ひたむきさ」の体現者
京都産業大学ラグビー部のスローガンやチームカラーといえば、泥臭くひたむきに戦う姿勢です。ポルテレ選手は外国人留学生選手でありながら、この「京産大魂」を誰よりも体現している選手の一人です。華麗なトライシーンだけでなく、味方のために体を張り続ける献身的なプレーが光ります。
試合中、苦しい時間帯に誰よりも声を出し、激しいタックルでチームを鼓舞する姿は、まさにリーダーそのものです。彼のプレーは、個人の能力に頼るだけでなく、チーム全体を前進させる推進力となっています。その姿勢こそが、彼がファンやチームメイトから愛される最大の理由でしょう。
関西大学リーグベスト15常連の実力
ポルテレ選手の活躍は、個人のパフォーマンスだけに留まりません。関西大学Aリーグにおいて、京都産業大学の連覇に大きく貢献し、自身も毎年のようにベスト15(優秀選手)に選出されています。これは、彼が単発的な活躍ではなく、シーズンを通して安定して高いパフォーマンスを発揮し続けている証拠です。
特筆すべきは、マークが厳しくなる重要な試合ほど、その輝きが増すという点です。相手チームはポルテレ選手を止めるために複数のディフェンダーを配置しますが、彼はそれをものともせずゲインラインを突破します。関西リーグのライバル校にとって、彼は常に最大の脅威であり続けています。
圧倒的なフィジカルを生み出すトレーニングと食事

身長184cm、体重112kgという強靭な肉体は、決して天性のものでけではありません。そこには、トップレベルで戦い続けるための緻密な計算と、血の滲むような努力が隠されています。ここでは、ポルテレ選手の肉体改造とコンディション管理の秘密に迫ります。
怪我を防ぎキレを増すための減量戦略
かつては体重が118kg近くあったポルテレ選手ですが、大学生活の後半にかけて意図的な減量に取り組みました。その目的は、怪我のリスクを減らし、プレーの俊敏性(キレ)を高めることにありました。重戦車のような突進力は魅力的ですが、現代ラグビーではスピードと運動量も同時に求められるからです。
彼は112kgまで体重を絞ることで、80分間走り切るスタミナと、密集から素早く立ち上がるスピードを手に入れました。単に痩せるのではなく、筋肉量を維持しながら無駄な脂肪を削ぎ落とす。このプロフェッショナルな肉体管理が、大学トップレベルでの圧倒的なパフォーマンスを支えているのです。
大好物の「お米」を制限した食事管理
ポルテレ選手の減量を語る上で外せないのが、食事管理のエピソードです。彼はかつて「お米が美味しくてずっと食べていた」と語るほどの白米好きでした。しかし、肉体改造のために、夕食時の炭水化物(特にお米)を制限するという厳しい食事制限を自らに課しました。
練習後の空腹時に大好物を我慢することは、並大抵の精神力ではできません。しかし、彼は「歴史を変えるため」「チームを勝たせるため」という強い意志でこれを実行しました。このエピソードからは、彼がラグビーに対してどれほど真摯に向き合っているかが伝わってきます。
入念なストレッチとリカバリーへの意識
フィジカルコンタクトの激しいポジションを務める彼にとって、身体のケアは練習と同じくらい重要です。ポルテレ選手は、練習前後のストレッチやマッサージを入念に行い、身体のメンテナンスに多くの時間を割いています。特に就寝前のリラックスタイムに行うストレッチは、彼の日課となっています。
また、睡眠の質にもこだわり、疲労を翌日に残さない工夫を凝らしています。こうした地味で目立たないリカバリーへの取り組みが、大きな怪我なくシーズンを戦い抜くための土台となっています。一流選手は、グラウンド外での過ごし方もまた一流であることを証明しています。
関西大学リーグと大学選手権での伝説的な活躍
京都産業大学のジャージを着て、数々の名勝負を演じてきたポルテレ選手。彼のプレーは多くのファンの記憶に刻まれています。ここでは、特に印象に残る関西大学リーグや全国大学選手権での活躍シーンを振り返り、彼がチームに与えた影響を分析します。
関西リーグ連覇を決定づけた突破力
京都産業大学が関西大学Aリーグで連覇を達成する過程において、ポルテレ選手の貢献度は計り知れません。天理大学や関西学院大学といった強豪との直接対決では、均衡した展開を打破する「ジョーカー」として常に機能しました。ゴール前でのスクラムからのサイドアタックは、京産大の必勝パターンの一つでした。
相手チームが防御網を敷いて待ち構える中、彼がボールを持つだけでスタジアムの空気が変わります。「ポルテレなら何とかしてくれる」という期待感。彼はその期待に応え、数人のタックラーを引きずりながらインゴールに飛び込むトライを何度も決めてみせました。
大学選手権で見せた関東勢への対抗心
関西王者として臨む全国大学選手権では、明治大学や早稲田大学、帝京大学といった関東の強豪校との激闘が待っています。ポルテレ選手は、フィジカルに勝る関東の強豪に対しても一歩も引かず、むしろ真っ向勝負で当たり勝ちする場面を何度も見せつけました。
特に、留学生選手同士のマッチアップは見応え十分でした。強靭なフィジカルを持つ相手留学生に対しても、低く鋭いタックルで対抗し、ブレイクダウンでボールを奪い取るジャッカルも披露。関西のラグビーが全国で通用することを、彼は自身の体で証明し続けました。
苦しい場面でチームを救う「キャリー」
ラグビーには、自陣ゴール前で釘付けになる苦しい時間帯があります。そんな時、チームを救うのがポルテレ選手のボールキャリーです。彼は自陣深くからでも果敢にボールを持って前進し、確実にゲインラインを回復させます。これにより、チームは陣地を回復し、一息つくことができるのです。
この「出口戦略」における彼の安定感は抜群でした。キックで逃げるだけでなく、フィジカルで前に出る選択肢があることは、ハーフ団にとっても大きな助けとなります。攻撃だけでなく、守勢に回った時のエリアマネジメントにおいても、彼の存在は不可欠でした。
卒業後の進路とリーグワンへの期待
大学ラグビー界でやり残したことはないと言えるほどの実績を残したポルテレ選手。ファンが最も気になっていたのは、大学卒業後の進路でした。そして2026年1月、ついにその行き先が明らかになりました。日本最高峰の舞台、リーグワンでの挑戦がいよいよ始まります。
名門コベルコ神戸スティーラーズへの加入
2026年1月12日、ジャパンラグビーリーグワンの名門「コベルコ神戸スティーラーズ」が、シオネ・ポルテレ選手の加入を公式に発表しました。神戸スティーラーズといえば、かつて平尾誠二氏らが築き上げた栄光の歴史を持つ、日本ラグビー界のビッグクラブです。
神戸スティーラーズは、伝統的に強力なFWと展開力のあるBKを融合させたラグビーを志向しています。ポルテレ選手の突破力と、大学時代に磨いた走力は、神戸のスタイルに完璧にフィットするでしょう。また、世界的なスター選手も多く在籍する環境は、彼の成長をさらに加速させるはずです。
アーディー・サベアら世界的スターとの共演
コベルコ神戸スティーラーズには、ニュージーランド代表(オールブラックス)で世界最優秀選手にも輝いたアーディー・サベア選手など、世界トップクラスの選手が在籍しています(2024-25シーズン実績)。同じポジションや近いポジションのスーパースターから直接学べることは、ポルテレ選手にとって計り知れない財産となります。
世界レベルのバックロー(FW第3列)の動きを間近で肌で感じ、練習からマッチアップすることで、彼は「大学レベルの怪物」から「世界レベルの選手」へと進化するでしょう。ファンとしては、彼らが同じピッチに立ち、共闘する姿を見るのが待ちきれません。
即戦力として期待される役割と課題
大学屈指の実力者である彼には、ルーキーイヤーからの即戦力としての活躍が期待されています。リーグワンはフィジカルの強度が大学とは段違いですが、ポルテレ選手のサイズとパワーはすでにプロ水準に達しています。まずはインパクトプレーヤーとして、試合の流れを変える役割が求められるでしょう。
一方で、プロの試合ではより高度な戦術理解や、80分間強度が落ちないフィットネスが求められます。また、規律(ペナルティをしないこと)の重要性も増します。これらの課題をクリアし、スタメン定着、そして将来的には日本代表資格の取得なども視野に入ってくるかもしれません。
ファンが語るシオネ・ポルテレの魅力

シオネ・ポルテレ選手がこれほどまでに愛されるのは、プレーが凄いからだけではありません。グラウンド外で見せるふとした表情や、ファンへの対応など、彼の人柄に惹かれる人が後を絶ちません。ここでは、ソーシャルメディアやスタジアムの声から、彼の愛される理由を探ります。
SNSで拡散される「優しさ」と「笑顔」
試合中は鬼神のような形相で相手をなぎ倒すポルテレ選手ですが、ノーサイドの笛が鳴れば、屈託のない笑顔を見せる青年に戻ります。SNS上では、試合後にファンとの写真撮影に快く応じる姿や、子供のファンに優しく接する様子が度々投稿され、話題になっています。
また、チームメイトのSNSに登場する際のお茶目な一面も人気です。厳しい練習の合間に見せるリラックスした表情や、仲間とふざけ合う姿は、彼の明るく親しみやすい性格を物語っています。この「強さ」と「優しさ」のギャップが、多くのファンを虜にしているのです。
「米好き」エピソードに見る日本への愛着
前述した「お米が好きすぎて減量に苦労した」というエピソードは、ファンの間では有名な語り草となっています。トンガ出身の彼が、日本の食文化を愛し、日本での生活に馴染んでいることを示す心温まる話として、好意的に受け止められています。
異国の地で、その国の文化や食事を愛することは、応援する側にとっても嬉しいものです。彼が神戸に行っても、美味しい神戸ビーフと共にお米を食べる機会があるのか(もちろん体調管理の範囲内で)、ファンの密かな関心事となっています。
将来のリーダーとしての資質
京都産業大学での4年間を経て、彼はプレーヤーとしてだけでなく、人間としても大きく成長しました。下級生の頃は自由にプレーしていた彼が、上級生になるにつれてチーム全体を見渡し、言葉と背中で引っ張る姿が見られるようになりました。
ファンは、彼がいずれリーグワンの舞台でもリーダーシップを発揮することを期待しています。言葉の壁を超えてチームを鼓舞できる彼の存在感は、どのチームに行っても重宝されるはずです。彼が将来、チームのキャプテンを任される日が来るかもしれません。
まとめ:シオネ・ポルテレの新たな伝説を目撃せよ
京都産業大学ラグビー部の歴史にその名を深く刻んだシオネ・ポルテレ選手。目黒学院高校から始まった彼の日本での挑戦は、大学選手権での激闘を経て、ついに日本最高峰のリーグワンへと舞台を移します。184cm、112kgの進化した身体と、No.8としての研ぎ澄まされた嗅覚は、プロの世界でも間違いなく通用する武器となるでしょう。
コベルコ神戸スティーラーズへの加入は、彼にとってゴールではなく、新たな伝説の始まりに過ぎません。世界的なスター選手たちと切磋琢磨し、さらにスケールアップした「怪物」の姿を見られる日はもうすぐです。
これからは大学ラグビーファンだけでなく、すべてのラグビーファンが彼のプレーに熱狂することになるでしょう。ぜひスタジアムに足を運び、地響きのような彼の突進と、その後に見せる最高の笑顔を生で体感してください。シオネ・ポルテレの未来は、希望と興奮に満ち溢れています。



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