ラグビーの聖地として長年愛され続けている秩父宮ラグビー場ですが、実は特定の1チームだけが専用スタジアムとして独占しているわけではありません。ジャパンラグビーリーグワンにおいては、東京都をホストエリアとする複数の強豪チームがこの場所を「ホーム」として機能させ、熱戦を繰り広げています。
これから観戦を予定している方にとって、どのチームがホストゲームを開催するのかを知ることは、座席選びや応援グッズの準備において非常に重要です。まずは秩父宮を主戦場とする代表的なチームとその特徴を整理しましたので、観戦計画の参考にしてください。
| チーム名 | 愛称 | チームカラー |
|---|---|---|
| 東京サントリーサンゴリアス | サンゴリアス | イエロー |
| 東芝ブレイブルーパス東京 | ブレイブルーパス | レッド |
| リコーブラックラムズ東京 | ブラックラムズ | ブラック |
秩父宮ラグビー場のホームチーム機能と東京3球団の関係性
秩父宮ラグビー場は、リーグワンに所属する東京都のチームにとって象徴的なホームスタジアムとしての役割を果たしています。特定の企業の所有物ではなく、日本ラグビーフットボール協会などが管理する公共性の高い施設であるため、複数のチームが共同でホームゲームを開催するスタイルが定着しています。
ここでは、実際に秩父宮をホームとして使用する主要な3チームについて、それぞれの特徴やスタジアムとの関わりを詳しく解説します。各チームの文化やファン層の違いを理解することで、試合当日のスタジアムの雰囲気や楽しみ方がより鮮明に見えてくるはずです。
攻撃的なラグビーで魅了する東京サントリーサンゴリアス
東京サントリーサンゴリアスは、「アグレッシブ・アタッキング・ラグビー」を掲げ、常にリーグの優勝争いに絡む強豪チームです。秩父宮ラグビー場での試合開催数は非常に多く、イエローのジャージを身にまとったファンがスタンドを埋め尽くす光景は圧巻の一言に尽きます。
チームのプレースタイルは非常にスピーディーで展開力があり、トライを量産するシーンが多いため、初めてラグビーを観る人でも興奮しやすいのが特徴です。試合当日はスタジアム周辺にサンゴリアスの黄色い装飾が施され、キックオフ前からお祭り騒ぎのような活気があふれています。
また、サンゴリアスのホストゲームでは、ハーフタイムショーや場内演出にも力が入れられており、エンターテインメントとしての完成度が高い点も見逃せません。聖地・秩父宮での勝利にかける執念も凄まじく、選手と観客が一体となって作り出す熱狂空間は必見です。
猛勇狼士の魂を受け継ぐ東芝ブレイブルーパス東京
東芝ブレイブルーパス東京は、伝統的にフィジカルの強さと粘り強いディフェンスを武器とする、日本ラグビー界の名門クラブです。秩父宮ラグビー場は彼らにとっても数々の名勝負を繰り広げてきたホームグラウンドであり、赤いジャージのサポーターたちが熱い声援を送ります。
「接点の強さ」を信条とするブレイブルーパスの試合では、激しいタックルやボールの奪い合いが頻発し、ラグビー本来の肉弾戦の迫力を間近で体感することができます。特にゴールライン際での攻防戦における観客席の緊張感と盛り上がりは、他のスタジアムでは味わえない独特のものがあります。
近年は若手選手の台頭とベテランの融合が進み、秩父宮での試合ではドラマチックな逆転劇が見られることも少なくありません。昔からのオールドファンも多く、ラグビー通が好む玄人好みの好ゲームが展開されることが多いのもこのチームの特徴と言えるでしょう。
漆黒の旋風を巻き起こすリコーブラックラムズ東京
リコーブラックラムズ東京は、黒を基調としたチームカラーが印象的な、闘志あふれるプレーが魅力のチームです。秩父宮ラグビー場に加え、駒沢オリンピック公園陸上競技場も使用しますが、秩父宮でのホストゲームでは「黒の軍団」としての存在感を遺憾なく発揮します。
彼らのスローガンやプレースタイルには、どんな相手にも怯まず立ち向かう姿勢が表れており、判官贔屓なファンや熱狂的なサポーターを惹きつけてやみません。秩父宮のコンパクトなスタンドは、ブラックラムズの選手たちの息遣いや体のぶつかる音をダイレクトに客席へ届けてくれます。
また、ブラックラムズのホストゲームでは、地域密着型のイベントや独自のファンサービスが充実していることでも知られています。試合内容は非常にハードワークを厭わないスタイルで、最後まで諦めない姿勢が観る者の心を打ち、スタジアム全体に感動を呼ぶことが多々あります。
ホストエリア制度とスタジアム運用の仕組み
リーグワンでは「ホストエリア」という概念が導入されており、チームは特定の地域に根差した活動を行うことが義務付けられています。東京のチームにとって、都心に位置しアクセス抜群の秩父宮ラグビー場は、ファンを集めやすい最高の立地条件を備えたスタジアムです。
しかし、単独所有ではないため、日程調整や会場設営においては各チームが工夫を凝らし、それぞれの「ホーム感」を演出しています。同じスタジアムでありながら、主催チームが変わるだけで会場の装飾、BGM、スタジアムグルメのラインナップがガラリと変わるのが面白い点です。
ファンにとっては、毎週のように異なるチームのホストゲームを楽しむことができるため、秩父宮はまさに「ラグビーのテーマパーク」のような場所となっています。複数のファンクラブに入会し、それぞれのチームのホストゲームを比較しながら楽しむという観戦スタイルも定着しつつあります。
聖地と呼ばれる理由と独特の臨場感
秩父宮ラグビー場が「聖地」と呼ばれるのは、単に歴史が古いからだけではなく、観客席とグラウンドの距離が極めて近いことに起因しています。陸上トラックがない球技専用スタジアムであるため、選手の表情や声でのコミュニケーションまで鮮明に感じ取ることができます。
この近さが、ホームチームにとってはサポーターの後押しをダイレクトに受けることができる大きなアドバンテージとなります。逆にビジターチームにとっては、四方八方からプレッシャーを受ける完全アウェイの雰囲気が形成されやすく、試合展開に影響を与えることもあります。
建て替え計画が進む中でも、現在の秩父宮が持つ独特の空気感や歴史の重みは、選手やファンにとって代えがたい価値を持っています。どのチームがホームであっても、ここで開催される試合には、ラグビーへの敬意と情熱が凝縮された特別な時間が流れているのです。
観戦前に把握すべき座席選びとゾーニングの基礎知識

秩父宮ラグビー場で快適に観戦するためには、ホームチームとビジターチームの座席配置、いわゆる「ゾーニング」を理解しておくことが不可欠です。サッカーのスタジアムとは異なり、ラグビー文化特有の座席割りや緩やかな境界線が存在するため、初心者の方は戸惑うことがあるかもしれません。
ここでは、応援するチームに合わせて最適な座席を選ぶためのポイントと、各スタンドの特徴について具体的に解説します。チケットを購入する前にこの情報を頭に入れておくだけで、当日の居心地の良さや試合への没入感が格段に向上することをお約束します。
メインスタンドとバックスタンドの応援スタイル
メインスタンドは、選手入場やベンチの動きが見やすく、試合全体を俯瞰して分析的に楽しみたいファンが多いエリアです。ホーム・ビジターの区別は比較的緩やかで、落ち着いて観戦したい方や、初めてラグビーを生で観る方におすすめの座席と言えます。
一方、バックスタンドはグラウンドとの距離が近く、応援の熱量がより高まりやすいエリアとして知られています。特に中央付近は人気が高く、両チームのファンが混在しながらも、良いプレーには分け隔てなく拍手を送る「ノーサイド」の精神が強く感じられる場所です。
ただし、特定のチームを熱烈に応援したい場合は、チケット購入時に「ホーム寄り」か「ビジター寄り」かを意識して座席指定することをお勧めします。リーグワンのチケットサイトでは座席図が表示されるため、自分の応援スタイルに合ったポジションを慎重に選びましょう。
北スタンドと南スタンドの明確な住み分け
ゴール裏に位置する北スタンドと南スタンドは、チームの応援団や熱狂的なサポーターが集結するエリアとして機能しています。通常、大型ビジョンのある北側か、あるいは南側のどちらかがホームチームの応援席として設定され、試合ごとに運用が異なる場合があります。
このエリアでは、太鼓や手拍子に合わせた組織的な応援が行われることが多く、一体感を持って盛り上がりたい方には最高の環境です。逆に、静かに試合を見たい方や、相手チームのファンが誤って紛れ込んでしまうと、少し居心地の悪さを感じる可能性があるため注意が必要です。
チケットを購入する際は、必ず公式サイトや販売ページで「ホーム側ゴール裏」「ビジター側ゴール裏」の表記を確認してください。各チームのファンクラブ会員向けに優先販売されるエリアでもあるため、良い席を確保したい場合は会員登録を検討するのも一つの手です。
雨天時の観戦と屋根付きエリアの注意点
秩父宮ラグビー場は屋外スタジアムであり、屋根が設置されているのはメインスタンドの後方エリアのみという構造的特徴があります。そのため、雨天予報が出ている試合では、屋根下エリアのチケット競争率が急激に高まる傾向にあります。
バックスタンドやゴール裏には屋根が一切ないため、雨天時にはポンチョやレインコートの準備が必須となります。スタジアム内では傘をさしての観戦が禁止されているため、雨対策を怠ると試合に集中できず、体調を崩す原因にもなりかねません。
もし天候に不安がある場合や、快適さを最優先したい場合は、多少価格が高くてもメインスタンド上段の席を確保するのが賢明です。逆に、雨に濡れながら選手と共に戦うような泥臭い観戦体験も、ラグビーファンにとっては一つの醍醐味として楽しまれています。
秩父宮ならではの観戦体験を高める周辺環境とグルメ
スタジアムの中だけでなく、その周辺環境やグルメも含めて楽しめるのが、都心の一等地に位置する秩父宮ラグビー場の大きな魅力です。試合前後の時間を有効に使い、観戦の満足度をさらに引き上げるための情報をまとめました。
アクセス至便な立地を活かした楽しみ方や、スタジアム名物のフード情報を知っておくことで、単なるスポーツ観戦が充実した休日のイベントへと昇華します。友人や家族を誘って訪れる際にも役立つ、実用的な情報をお届けします。
スタジアム通りに並ぶキッチンカーの楽しみ方
試合開催日には、スタジアム正門前の広場やコンコースに数多くのキッチンカーが出店し、食欲をそそる香りが漂います。各ホームチームがプロデュースする限定メニューや、選手とのコラボフードなどが販売されることもあり、これを目当てに来場するファンも少なくありません。
定番の唐揚げや焼きそばだけでなく、クラフトビールや多国籍料理など、ラインナップが非常に豊富なのも嬉しいポイントです。特にハーフタイムや試合開始直前は長蛇の列ができるため、余裕を持って到着し、キックオフ前にゆっくりと食事を楽しむのが通のスタイルです。
また、冬場の観戦ではホットワインや温かいスープなどが販売され、冷えた体を温めてくれる強い味方となります。季節や対戦カードによって出店店舗が変わるため、何度訪れても新しい味に出会えるのが、秩父宮グルメの飽きさせない工夫と言えるでしょう。
外苑前駅からのアクセスと混雑回避術
最寄り駅である東京メトロ銀座線「外苑前駅」からは徒歩数分という好立地ですが、試合終了後は駅周辺が非常に混雑します。特に数万人が詰めかける好カードの際は、改札に入るまでに入場規制がかかることも珍しくありません。
混雑を回避するための裏技として、少し歩いて青山一丁目駅や表参道駅を利用するルートをおすすめします。徒歩10分から15分程度かかりますが、試合の余韻に浸りながら街並みを散策することで、人混みのストレスを感じずに帰路につくことができます。
また、試合終了直後にスタジアムを出るのではなく、場内で少し時間を潰してから退場する「時差退場」も有効です。多くのファンが帰った後のスタジアムの静けさを味わうのも乙なものですし、混雑のピークを避けてスムーズに移動できるメリットがあります。
試合前後に立ち寄れる近隣スポット
秩父宮ラグビー場の周辺には、神宮外苑のイチョウ並木やおしゃれなカフェ、スポーツショップなどが点在しています。早めに現地に到着して、イチョウ並木を散策したり、近隣のショップで最新のラグビーグッズをチェックしたりするのも楽しい過ごし方です。
特に、スタジアム近くの商業施設や飲食店では、ラグビー観戦チケットの半券を提示すると割引やサービスを受けられる場合があります。地域全体でラグビーを盛り上げようという気運が高いため、街歩きをしながらお得な特典を探してみるのも良いでしょう。
夜の試合(ナイター)の場合は、試合前に青山エリアでランチやショッピングを楽しみ、夕方からスタジアムへ向かうという優雅なプランも可能です。スポーツ観戦と都市型レジャーを同時に満喫できるのは、このエリアならではの贅沢な体験と言えます。
建て替え計画と現在のスタジアムで観戦する意義

現在、秩父宮ラグビー場を含む神宮外苑エリアでは大規模な再開発計画が進行しており、近い将来、現在のスタジアムは姿を消す運命にあります。新しいラグビー場への移転計画が進む中で、今の秩父宮で試合を観ることには特別な意味が生まれています。
歴史あるスタンドや、数々の名勝負が刻まれた芝生を目に焼き付けることができる時間は、実はそう長くは残されていません。ここでは、建て替え計画の現状と、過渡期にある今だからこそ感じておきたいスタジアムの情緒について深掘りします。
神宮外苑再開発と新ラグビー場の展望
新しい秩父宮ラグビー場は、現在の場所から少し位置をずらして建設される予定で、全天候型の屋根付きスタジアムへと生まれ変わる計画です。これにより、雨天時の観戦環境は劇的に改善され、より快適で現代的なエンターテインメント空間が提供されることになります。
新スタジアムでは、音響設備や大型ビジョンも最新鋭のものが導入される見込みで、ラグビー観戦の迫力がさらに増すことが期待されています。また、ビジネス利用やイベント開催など、多目的に活用できる施設としての機能も強化される予定です。
一方で、建設工事に伴う周辺環境の変化や、現スタジアムの取り壊し時期については、ファンの間でも様々な意見や寂しさが交錯しています。進化への期待と歴史への愛着が入り混じるこの時期は、日本ラグビー界にとっても大きな転換点となるでしょう。
現スタジアムが持つ歴史的価値と記憶
現在の秩父宮ラグビー場は、昭和から平成、令和へと続く日本ラグビーの歴史そのものと言っても過言ではありません。スタンドの古さや狭ささえも、かつての熱狂や涙を知るファンにとっては、かけがえのない記憶の一部として愛されています。
木目調のベンチシートや、手書き風の掲示物、そして独特の反響音など、老朽化した施設ならではの「味」は、新スタジアムでは再現できないものです。今のうちにこの場所に足を運び、その空気を肌で感じておくことは、将来「旧・秩父宮」を語る上で貴重な体験となるはずです。
多くのレジェンド選手たちが駆け抜け、幾多のドラマが生まれたこのグラウンドを目に焼き付けてください。建物はいずれなくなってしまいますが、そこで共有された感動や記憶は、ファンの心の中で永遠に生き続けることでしょう。
移行期間中の観戦スタイルと心構え
再開発工事が本格化すると、スタジアムへのアクセスルートや周辺の景観が一時的に変更される可能性があります。公式サイトやチームからのアナウンスをこまめにチェックし、最新の情報を入手しておくことが、トラブルなく観戦するための鍵となります。
また、現スタジアムでの最後のシーズンやイベントが発表された際には、チケットの入手困難化が予想されます。今のうちからリーグワンの試合に足を運び、日常の風景として秩父宮を楽しんでおくことが、悔いを残さないための最善策です。
変化していく街の様子を定点観測しながら、スタジアムの最後を見届けるというのも、この時代に居合わせたファンだけに許された特権です。工事用のフェンスやクレーンが見える風景さえも、歴史の1ページとして記憶に留めながら観戦を楽しんでください。
まとめ
秩父宮ラグビー場は、単一のホームチームではなく、東京サントリーサンゴリアス、東芝ブレイブルーパス東京、リコーブラックラムズ東京といったリーグワンの強豪たちが、それぞれの色で染め上げる変幻自在のホームスタジアムです。チームごとに異なる演出や応援スタイルを楽しむことができるのは、この聖地ならではの醍醐味と言えるでしょう。
座席選びでは、熱狂的な応援を望むならゴール裏やバックスタンド、全体を俯瞰したいならメインスタンドというように、目的に応じたエリア選定が重要です。特に屋根の有無や、ホーム・ビジターの区分けを事前に確認しておくことで、当日の観戦体験はより快適なものになります。
そして、再開発による建て替えが迫る今、現在の姿でラグビーを楽しめる時間は限られています。歴史の重みを感じられるスタンドで、キッチンカーグルメを味わいながら試合に熱狂する休日は、何物にも代えがたい贅沢な時間です。ぜひ次の週末はチケットを手配し、進化の過程にある聖地・秩父宮へ足を運んでみてください。


