「聖地」と呼ばれる秩父宮ラグビー場での観戦は、ラグビーファンにとって特別な体験です。
しかし、2026年2月から始まる隣接地の再開発工事や、座席ごとの屋根の有無など、事前に知っておくべき情報は少なくありません。
特にメインスタンドはチケット価格が高めに設定されている分、失敗のない座席選びが求められます。
この記事では、秩父宮のメインスタンドで快適に観戦するためのポイントを徹底的に解説します。
屋根で雨をしのげるエリアの境界線や、試合展開が見やすい「穴場」の座席、そして混雑を避けるトイレのタイミングまで。
歴史ある現在のスタジアムで過ごす時間を、最高のものにするための情報をまとめました。
- メインスタンド特有の「屋根」と「日差し」のリアルな事情
- 2026年の再開発工事開始に伴うアクセスや環境の変化
- 初心者でも玄人でも満足できる「ベストな座席」の選び方
秩父宮ラグビー場メインスタンドの特徴と魅力
メインスタンドは、選手入場や国歌斉唱を正面から見届けられる、まさにスタジアムの「顔」とも言えるエリアです。
ピッチ全体を俯瞰しやすく、戦術的な動きを追いたいファンや、落ち着いて試合を楽しみたい層から絶大な支持を集めています。
バックスタンドのような熱狂的な応援合戦とは一味違う、独特の緊張感と格式がここにはあります。
まずは、メインスタンドならではの5つの主要な特徴と、観戦時に知っておくべきポイントを詳しく見ていきましょう。
司令塔の視点で楽しむ「俯瞰」の景色
メインスタンドの最大の魅力は、グラウンド全体を見渡せる視認性の高さにあります。
特に中段から上段にかけての席は、テレビ中継のカメラアングルに近く、ボールを持っていない選手の動きまで鮮明に追うことが可能です。
両チームのディフェンスラインの陣形や、バックスがスペースを突く瞬間の駆け引きなど、ラグビーの奥深さを味わうには最適の場所です。
フィールドレベルの迫力よりも、ゲーム全体の流れを把握したい方にとって、これ以上の座席はありません。
また、メインスタンドには関係者席や記者席も設置されており、スタジアム全体の空気をコントロールするような「司令塔」の視点で観戦できます。
雨対策の要!屋根エリアの「境界線」
秩父宮ラグビー場のメインスタンドには屋根が設置されていますが、すべての座席をカバーしているわけではありません。
一般的に、屋根の恩恵を受けられるのは「後方(上段)の座席」に限られており、前方の席は雨天時に濡れる可能性が高くなります。
目安として、通路よりも後ろにある19列目以降のエリアであれば、風が強くない限り雨をしのげる確率が高いです。
逆に、通路より前のグラウンドに近い席(1列目〜15列目付近)は、屋根がないためレインコートの準備が必須となります。
さらに、スタンドの左右両端(1ゲート・7ゲート付近)は屋根の範囲外となることが多く、中央エリア(3ゲート・4ゲート付近)の後方が最も安全な「雨宿りゾーン」です。
長時間でも疲れにくい座席の仕様
メインスタンドの座席は、バックスタンドやゴール裏と比較して、居住性が高く設計されています。
特に中央寄りのSS席やS席などの上位カテゴリーでは、背もたれ付きの独立シートが採用されており、隣の人との間隔も比較的余裕があります。
一方、バックスタンドの多くはベンチシートタイプであり、長時間の観戦では腰への負担や窮屈さを感じることがあるかもしれません。
冬場の厚着をするシーズンでも、メインスタンドの独立シートなら、自分のスペースを確保しながら快適に過ごせます。
ハーフタイムや試合前後の待ち時間も含めて、リラックスして観戦に集中したい場合は、少し予算を上げてもメインスタンドを選ぶ価値があります。
夏は涼しく冬は寒い「日陰」の環境
屋外スタジアムで無視できないのが「太陽の位置」ですが、秩父宮のメインスタンドは基本的に「日陰」となる時間が長いです。
午後に行われる試合では、太陽がメインスタンドの背後から照らす形になるため、直射日光を浴びずに観戦できます。
これは、残暑が厳しいシーズンの早い時期や5月の陽気が強い日には、熱中症対策として非常に大きなメリットとなります。
しかし逆に言えば、真冬のナイターや曇りの日には、バックスタンド(日向)に比べて体感温度がぐっと下がります。
メインスタンドを選ぶ際は、防寒対策を通常より入念に行うことが、「寒すぎて試合に集中できない」という事態を防ぐ鍵となります。
セレモニー撮影のベストポジション
試合前の選手入場、国歌斉唱、そして試合後の表彰式など、多くのセレモニーはメインスタンドに向けて行われます。
選手たちが整列してこちらを向く瞬間は、写真撮影を狙うファンにとって絶好のシャッターチャンスです。
特に代表戦やリーグワンの重要な試合では、炎の演出や特別なパフォーマンスが行われることがあり、それらを正面から体験できるのはメインスタンドの特権です。
選手の表情や緊張感をレンズ越しに捉えたいなら、メインスタンドの前方エリアを確保することをおすすめします。
バックスタンドからでは背中しか見えないシーンも、メインスタンドならその一部始終を目に焼き付けることができます。
アクセスと場内設備のリアル情報

スタジアムに到着してから席に着くまで、そしてハーフタイムの過ごし方も観戦の質を左右します。
メインスタンド側の入場ゲートやコンコースの設備は、他のエリアとは少し異なる特徴を持っています。
ここでは、スムーズに入場するためのルート選びや、限られた休憩時間を有効に使うためのトイレ・売店事情について解説します。
古いスタジアムだからこそ知っておきたい、設備面の攻略法を押さえておきましょう。
メインゲートからの入場ルート
メインスタンドへ向かう場合、最寄りの入口はスタジアム正面の「メインゲート」となります。
東京メトロ銀座線の外苑前駅から徒歩数分で到着できるため、アクセスの利便性は抜群ですが、キックオフ直前は非常に混雑します。
特に2026年2月以降は、隣接する神宮第二球場跡地での新ラグビー場建設工事が本格化するため、周辺の歩道が一部規制されたり狭くなったりする可能性があります。
通常よりも移動に時間がかかることを想定し、駅からのルート状況を事前に確認しておくか、時間に余裕を持って到着することが賢明です。
もしメインゲートがあまりに混雑している場合は、東ゲート(バックスタンド側)から入場して場内を回るルートも検討できますが、席種によっては通行制限があるため注意が必要です。
注記:工事車両の出入り口付近は係員の誘導に従い、安全に通行してください。
コンコースの売店とキッチンカー
メインスタンド側のコンコースには常設の売店があり、軽食やドリンクを購入することができます。
しかし、店舗数は多くないため、ハーフタイムには長蛇の列ができることが日常茶飯事です。
おすすめは、入場前や再入場制度を利用して、スタジアム正面広場などに展開される「キッチンカー」を利用することです。
秩父宮ラグビー場名物のグルメや温かいメニューは、場内の売店よりもキッチンカーの方が充実している傾向にあります。
試合開始の1時間前には食事を確保し、余裕を持って席に着くスタイルが、秩父宮グルメを堪能する正解ルートです。
「ハーフタイムの行列」回避術
秩父宮ラグビー場のトイレ、特にメインスタンド側の施設は建設年数が古く、個数も現代のスタジアム基準と比べると決して多くありません。
そのため、ハーフタイムに入った瞬間にトイレへ駆け込んでも、後半のキックオフに間に合わないリスクがあります。
混雑を回避する唯一の方法は、「試合の流れが切れたタイミングで、ハーフタイムの数分前に席を立つ」ことです。
あるいは、試合終了後まで我慢するか、入場前に駅や周辺施設で済ませておくことを強く推奨します。
特に女子トイレや多目的トイレは数が限られているため、早め早めの行動が快適な観戦のカギとなります。
バックスタンド・南スタンドとの比較
「メインスタンドが一番良い」とは限らず、観戦スタイルによっては他のスタンドの方が満足度が高い場合もあります。
チケットを購入する前に、メインスタンドと他エリアの違いを明確にしておきましょう。
ここでは、価格、応援の雰囲気、そして天候への強さという3つの視点から、各スタンドのメリット・デメリットを比較します。
自分にとっての「ベスト」を見極めるための判断材料として活用してください。
価格差に見合う価値はあるか
メインスタンドのチケット価格は、バックスタンドや南スタンド(ゴール裏)に比べて数千円高く設定されるのが一般的です。
この価格差は、前述した「背もたれ付きの座席」や「屋根の有無」、「ピッチ全体の見やすさ」といった快適料と言えます。
もし「とにかく安く、回数を多く観戦したい」という重視点であれば、自由席やゴール裏を選ぶ方がコストパフォーマンスは高いでしょう。
しかし、「年に数回の特別なイベント」として観戦する場合や、接待・デートでの利用なら、快適性が保証されたメインスタンドへの投資は決して高くありません。
「疲れにくさ」と「視界の良さ」をお金で買う、というのがメインスタンドを選ぶ最大の理由となります。
「静かに観戦」vs「熱狂的な応援」
スタジアムの雰囲気は、スタンドによって明確に色が分かれます。
メインスタンドは比較的年齢層が高めで、プレーの一つ一つをじっくり分析しながら静かに見守るファンが多い傾向にあります。
対照的にバックスタンドは、応援団や熱心なサポーターが集まりやすく、太鼓の音やチャントが響き渡る賑やかなエリアです。
「一緒に声を出して盛り上がりたい」ならバックスタンド、「落ち着いてラグビーの凄さを感じたい」ならメインスタンドが適しています。
初めてラグビーを観る人を連れて行く場合、ルールがわからなくても解説しやすい静かな環境のメインスタンドは、安心感のある選択肢です。
天候リスクへの対応力
屋外スポーツ観戦において、天候の変化は避けられないリスクですが、その対応力には大きな差があります。
メインスタンド(特に後方)は屋根があるため、突然の雨でも濡れずに観戦を続けられる可能性が高いエリアです。
一方、バックスタンドや南スタンドの前方は基本的に吹きさらしであり、雨が降ればポンチョを着て、荷物をビニール袋に入れるなどの対策に追われます。
天候が不安定な予報の日や、雨具の準備が面倒だと感じる場合は、迷わずメインスタンドの屋根下エリアを確保すべきです。
「濡れない安心感」は、試合への集中力を維持するために非常に重要な要素となります。
失敗しない座席選びとチケット購入術
メインスタンドの中でも、ブロックや列によって見え方や環境は大きく異なります。
「せっかく高いチケットを買ったのに、柱が邪魔だった」「雨に濡れてしまった」という失敗を防ぐための具体的なノウハウを紹介します。
2026年シーズンの最新状況を踏まえ、狙い目のエリアやチケット購入のタイミングについて戦略的に考えましょう。
座席表を見ながら、自分好みの場所をピンポイントで探すためのガイドです。
具体的な選び方の基準は以下の通りです。
| 重視するポイント | おすすめのエリア・列 | 注意点 |
|---|---|---|
| 雨に濡れたくない | 19列目以降(22列目以降推奨) | 風向きによっては濡れる可能性あり |
| 戦術・全体を見たい | 中央ブロック・中段〜上段 | 選手個人の表情は見えにくい |
| 迫力・臨場感重視 | 1列目〜10列目・前方 | 雨天時は濡れる覚悟が必要 |
| 入退場・トイレ重視 | 通路側の座席 | 試合中、人の往来が気になる場合も |
狙い目のブロックと避けるべきエリア
メインスタンドの中央エリア(招待席やSS席付近)は最も見やすいですが、競争率も価格も跳ね上がります。
コストを抑えつつ良席を狙うなら、中央から少し左右にずれたS席やA席の「22メートルライン延長線上」付近がおすすめです。
ここはトライシーンも比較的近くで見られ、かつグラウンド全体も見渡せるバランスの良い位置です。
逆に避けるべきは、1ゲートや7ゲートの端すぎるエリアで、ここは屋根がかかっていない場合が多く、ゴールポストが死角になってプレーが見えにくいことがあります。
「屋根あり」と記載されていても、端のブロックは雨風が吹き込みやすいため、できるだけ中央寄りのブロックを選択するのが鉄則です。
ヒント:座席指定で購入する際は、屋根のラインだけでなく、前の人の頭が気にならない段差のある後方席も狙い目です。
高さで変わる「迫力」と「情報量」
座席の「高さ(列)」を選ぶ際は、自分が何を求めているかを明確にしましょう。
前方の席(1〜10列目)は、選手同士がぶつかる音や息遣いが聞こえるほどの臨場感がありますが、逆サイドのプレーは平面的に見えてしまい、何が起きているか把握しにくいことがあります。
後方の席(20列目以降)は、俯瞰視点で「情報量」が多く、スペースの空き具合やパスコースが手に取るように分かります。
ラグビー観戦初心者は、何が起きているか理解しやすい「後方席」の方が、試合の流れを楽しめることが多いです。
まずは後方でラグビーの全体像を知り、慣れてきたら前方で迫力を味わう、というステップアップもおすすめです。
リーグワン人気に伴う購入タイミング
リーグワンの開幕以降、人気チームの試合や好カードはチケットが早期に完売する傾向が強まっています。
特にメインスタンドの屋根下エリアや通路側の良席は、発売開始直後に埋まってしまうことも珍しくありません。
各チームのファンクラブ先行販売を利用するか、一般発売日の開始時刻に合わせてアクセスする準備が必要です。
また、リセールサービスを利用すれば、直前に行けなくなった人の良席が出品されることもあるため、こまめなチェックが欠かせません。
「行くと決めたら即確保」が、2026年の秩父宮観戦における基本ルールです。
2026年以降の秩父宮ラグビー場のゆくえ

現在の秩父宮ラグビー場は、神宮外苑地区の再開発計画に伴い、近い将来に取り壊されることが決まっています。
2026年は、新ラグビー場の建設が隣接地で始まり、現スタジアムが「終わりの始まり」を迎える重要な過渡期です。
ここでは、今後のスケジュールや、工事が観戦環境に与える影響、そして今のうちに体験しておくべきことについて触れます。
変わりゆく聖地の「今」を目撃することも、これからの観戦の大きな意義となるでしょう。
新スタジアム建設工事の影響
2026年2月より、現在の秩父宮ラグビー場の北側にある「神宮第二球場」の解体および新ラグビー場の建設工事が本格化します。
これにより、スタジアム周辺では工事車両の往来が増え、一部の通路が変更されたり、騒音が発生したりする可能性があります。
しかし、現時点の計画では、現在の秩父宮ラグビー場自体は新スタジアムが完成するまでの間(2027年頃まで)、継続して使用される予定です。
メインスタンド内に入ってしまえば、試合観戦そのものに大きな支障が出ることは考えにくいですが、場外の雰囲気はこれまでと少し異なるかもしれません。
変化していく周囲の風景も含めて、再開発のプロセスを定点観測できるのは、この時期にスタジアムを訪れるファンだけの特権です。
現スタンドを使えるのはいつまでか
スケジュール通りに進めば、現在の秩父宮ラグビー場での興行は2027年のシーズン終了後あたりで見納めとなる公算が高いです。
つまり、この歴史あるメインスタンドの椅子に座り、あの独特の傾斜からグラウンドを見下ろせる機会は、あと数シーズンしか残されていません。
新スタジアムは全天候型の屋根付き施設となり、快適性は飛躍的に向上しますが、野外スタジアム特有の風や光、そして歴史の重みを感じる空気感は失われてしまいます。
「あの秩父宮のメインスタンドはこうだった」と将来語るためにも、今のうちに多くの試合を現地で体感しておくことを強くおすすめします。
特に伝統の一戦や大学ラグビーの決勝など、満員のメインスタンドが醸し出す熱気は、今の施設でしか味わえない文化遺産です。
歴史的瞬間に立ち会うために
秩父宮ラグビー場は、日本のラグビー史そのものと言っても過言ではありません。
メインスタンドの壁面やコンコースには、過去の名勝負やレジェンドたちの記憶が刻まれており、ただ座っているだけでもその歴史を感じることができます。
建て替え前の最後の数年は、多くのファンや関係者が別れを惜しみ、スタジアム全体が特別な感情に包まれることでしょう。
2026年の観戦は、単なるスポーツ観戦を超えて、ひとつの時代の終幕に立ち会うという貴重な体験になります。
ぜひ、メインスタンドからの景色を写真だけでなく、心にもしっかりと焼き付けておいてください。
まとめ:2026年はメインスタンドへ急げ
秩父宮ラグビー場のメインスタンドは、見やすさ、快適性、そして格式の高さにおいて、やはり特別な場所です。
2026年に入り、隣接地での工事が始まってもなお、その魅力が色褪せることはありません。
むしろ、再開発が進む今だからこそ、今のスタジアムの姿を記憶に留めるために足を運ぶ価値があります。
屋根のある後方席を確保して雨を回避し、早めの行動でトイレ混雑を避ければ、これ以上ない極上のラグビー体験が待っています。
次の週末は、歴史の転換点にある秩父宮ラグビー場のメインスタンドで、熱い試合を目撃してみてはいかがでしょうか。



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